革財布 エイジングする革としない革。その正体とは
革の種類はいろいろあるので、全てが同じような加工をしているわけではないですが、一般的には天然皮革というと牛の革のことを指します。
この牛の革の表面に時として人口の手を加えることもあるのです。そうするとそれは天然皮革と呼べるのか?人口皮革ではないのか?という疑問が生じます。
天然皮革と人口皮革のガイドラインは誰が決めているのか?おそらく発祥はヨーロッパでしょうが、実は日本にも皮革協会があってそこの規定がちゃんとあるのです。
その規定とは、革の断層の話になります。本物の革とは、どんなに誤魔化しても本物の革はエイジングするということです。エイジングしにくい革はクロームなめしか、人工的に革の表面に加工している革ということになります。
天然皮革はエイジングする
もっと詳しい革の話 ↓
天然皮革とは何なのか?
天然皮革といえども、人工的に何らかの加工はしています。その代表的なのがナメシ加工ですが、表皮に人工的な加工をする場合もあります。
英語圏では革の断層の一番上の表皮をGreinと呼んでいて、日本ではギンと呼ばれています。
よく、職人やタンナーの間で、ギン付きの革などと言われている革がそうで、一応、このギンのある材料が天然皮革と日本天然皮革教会では認定されるのです。素人には分かりずらいのでギン無しを天然皮革と表記しているメーカーもあります。本当はこれは天然皮革とは呼べないのですが、そう表記されていてもどうやら日本ではペナルティが無いところです。
ではその下の Coriumとは何か?ということですが、ここは日本では床革と呼ばれる部分で、この部分と表面の部分を分けて下の部分 Coriumだけを製品化する場合もあります、それはベロアだと、トコ革などという名前に変わって、普通の皮よりも安く売られます。
どこまでの加工が天然皮革なのか?
革の断面の断層には名前がついている。
この床革とギンの繋ぎの部分(junction of grain corium)までを英語圏ではspritとよばれ、このスプリットだけになってしまうともはやそれは革とは言いません。
スプリットレザーとは
スプリットレザーの大半はギンの部分のギリギリまで削ってポリウレタンのフィルム(合成皮革と同じやり方)のなどを張り込んで耐水性を持たせたりします。
普通はスプリットレザーという名前になってしまうと、日本の皮革協会では天然革と認定しません。スプリットレザーという呼び名で、革では無くなってしまった素材を安くで販売している業者もしばしばです。
こうなってくるとスプリットレザーはもはや合成皮革なのか天然皮革なのか?わから無くなります。見た目には消費者には全くわからないので、どの様に加工されたか表記が必要なります。
ただ、スプリットレザーにしてしまうと耐水性や、表皮に傷が無くなるので、むしろそちらの方が綺麗だと思う消費者もいます。
スプリットレザーの欠点
しかし合成皮革や、スプリットレザーは、表面の貼り付けたフィルムが劣化するという問題があります。
さらにこれらの素材には、革の味 エイジングしたり、使用感、は無くなります。
天然皮革も、表皮、中間層、床と層があって、それぞれの特性をつかって、わざとその良さを製品に生かし、使い分けられるという事があります。
leather -goods-labでは、合成皮革は使わないで、良質のギン付きの革を使っています。