コバ磨きとコバ塗り コバ染め。という技術があります。コバというのは革を裁断した裁断面のことで、革をなんらかの製品にするとき、この裁断面をどう処理するかが、職人によって違います。この処理の仕方を一つずつ解説して行きます。
コバ塗り
世に出ている革製品で コバ塗りは一番ポピュラーな方法では無いでしょうか?
コバ塗りというのは裁断面を磨き、革専用の塗料を塗り、仕上げる技術のことですが、まずは裁断面を磨き その次に塗料の塗ります そのときに使う道具がコバ塗りロールやコバペンというものを使います。ここに 専用の塗料を流し込んで革の断面を転がしていくと自然に塗料がついていくというものです。
コバ塗りのデメリット
しかし、塗料を塗ったままではやがては禿げてしまいます。 これを禿げない様に仕上げようとすると、透明の定着仕上げ剤を乾かしてから塗るのが一般的です。 しかし、それでも長年使っているとやがては禿げてしまう 所詮は塗装だからです。そういう弱点のある方法を一番世の中で使っているということは作るのに時間をかけなくてもいいからなのです。
革の切れっぱなし
時として裁断面は何もしない いわゆる「切れっぱなし」として放置されることもあります。職人によってはコバ塗り塗料を塗るのを嫌う職人がいます。なぜなら コバ塗りは使っているうちに剥がれるから長持ちしないという考え方です。
販売をするときにはコバが塗られている方が売りやすいという理由だけでコバ塗り処理をしている。コバ塗りしない職人は剥がれを嫌っているのです。
切れっぱなしのデメリット
これだけ一般的な製品にコバ塗りが反映している中で剥がれるから嫌だ という職人はそれで良いのでしょうか? やはり見た目は美しくないわけです。 切れっぱなしで終わる商品もあります。確かに切れっぱなしはコストも安価になります。 でもデザインを犠牲にするのは確実です。
本当に良いものはコバ磨き
本当に良いモノにはコバ磨きという手法が使われています。ところがこのコバ磨きをやるためには 革のなめし方法が問題になります タンニンなめしという革のなめし方でないとコバ磨きができません。グロームなめしではできないのです。ヨーロッパやイタリアの高級ブランドはほとんどがこのコバ磨きで処理されています。 だから長年使えるのです。方法は まずはコバ面をひたすら磨きます。一般的には木製のコバ磨きアイテムを使いますが、プロは電動のコバ磨きをつかいます。
コバ磨きのデメリット
これはなんと言っても時間がかかるのでコストが上がるというのが弱点です
デザイン的にも綺麗でしかも長持ちする。 しかし、そうなると材料全般的に長持ちするようにしなければならない 10年以上使ってもらってその良さが分かってくる。手縫いも必要になる。材料もタンニン革でコストが上がる。飽き性の現代人には向かないかもしれません。そして何よりも消費者がコバ磨きを知らない事が問題かもしれません。leather goods labではコバ磨きを中心に販売しています (染革シリーズでは切れっぱなしで、素朴な感じを出したいため、コバ磨きしていません)
コバ染め 芯通しと後染め
コバ染め コバ染めは、最初から革の芯まで染め剤が浸透しているタイプと 革のコバ面に後から染料を染み込ませていくタイプがあります
後から染料を染み込ませるタイプでは コバペンというものを使ったり 綿棒などを使って染料を染み込ませていく方法をとります。
コバ染め デメリット
水に弱いということが弱点です。 染料は水溶性のため 水で色落ちしやすいのです。 白いシャツの胸ポケットに入れて雨に濡れたり、汗でびっしょりのシャツには色がついてしまう デメリット表示が必要になります。
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