革財布 革と手縫いの関係
手縫いをするのにどんな意味があるのでしょうか?手縫いをしてもコストがかかります 。そして、ミシン縫いと手縫いの違いは知る人ぞ知るという手法で、ミシン縫いが一般的です。
実は手縫いには素材と縫製品のの構造に関係あります。一般的に、バッグや財布、などの縫製品でも長く使えるものにしか手縫いはされていません。
天然皮革の商品にはなぜ手縫いがされているのでしょうか?そしてなぜ手縫いにはタンニンナメシの革が多いのでしょうか?
革のなめし方法と手縫いの関係
厳密にいうと世の中には4っつのなめし方法がありますが、一般的に知られている革のなめし方法は99パーセント タンニンなめしとクロムなめしです。
クロムなめしに手縫いがされている商品は滅多にありません。それはこば磨きという革のタン面(切れっぱなし)を磨く技術に関係しています。
タンニンなめしの革にだけ、こば磨きという手法が使えます。クロムなめしでは、いくらこば面をみがいても艶が出てこず、革の切れっぱなし部分が美しくならないのです。クロムなめしは革自体が強く。こば面の組織もちょっとやそっとみがいても変化してくれません。 だからコバ面は 切れっぱなしのままの感じになったままで、見た目に手が加えられた感じになりません。なのでクロムなめしの革の切れっぱなしにはコバ塗り塗料をつかいます。
しかしこの塗料はものの1−2年で禿げてしまいます。もちろん合成皮革も拒みがきはできません。なので、いつまでも美しいのはタンニンなめしのコバ磨きと言う処理だけということになります。
タンニンなめしだけが長くもてる商品
合成皮革と比べて、天然皮革は格段に長持ちします 合成皮革は石油からできており、加水分解と言って、プラスティックが水分に反応して、劣化するからです。
ところが革は何十年も持ちます。なめし方法はタンニンなめしも クロームなめしも 革自体の耐久性は同じ様なものです。ですが、コバ処理の仕方が変わります 先にも書きましたが コバ磨きでないと塗装が剥げてしまうからです。
綺麗に磨かれたコバ
タンニンなめしの革と手縫いの関係
何年も革の耐久性がもったとして、コバの処理も綺麗に磨かれていたとして、それで革製品が長持ちするかというと、今度は縫製が問題になります。 何十年も使っていると、縫製も磨耗して、糸が切れる。なので、手縫いが良いということになります
手縫いはワックスという 蝋の様なものが表面についていて、太い糸で縫われるため、何十年も長持ちします。つまり、革製品で一生物と呼べるのは タンニンなめし +コバ磨き手法 +手縫いということになります。
革製品の手縫いの意味は、革の耐久性についていける 糸選び。そういう堅牢さにあると言って良いでしょう。
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